どんな研究をしているの?
研究内容
こんにちは,昨日(2023/03/05)の夜中にF1の2023年シーズンの初戦が行われました.やっと生活に楽しみができました.
まあその話は違う機会に書くとして,私の研究内容を紹介しようと思います.研究といっても現段階ではレベルの高い,難しいことをしているわけではありません,それどころか多くの人の身近にあるトピックだと思います.卒論は英語で書いたため,対応する日本語が適当かは保証しません.
ちなみに私は生体医用工学という分野を扱う研究室に所属しています.(生体医用工学とは)
テーマ
テーマとしては,"気象要因と健康状態"を挙げており,気象要因が持つ健康状態への影響を調査し明らかにすることを目標としていました.簡単に言うと,最近よく話題になる天気痛について調べて原因を特定しよう,ってことです.
背景
株式会社ウェザーニューズの調査によると約6割の日本人が天気痛の症状を持っているようです.さらにその調査の女性参加者の78%が天気痛を持っているという結果が出ました.その天気痛は何によって引き起こされるのかを調べてみると,大きな説は"気圧"ですが,特定にはまだ至っていないようです.そこで,天気痛を解明するには原因を見つけなければいけないと思いこのテーマを選択しました.
注意点としては,私たちはたくさんの要因に囲まれながら生活しているので,健康状態は気象だけによって変化するとは言えません.例えば生理周期やそれによるPMSだったり,生活習慣だったり.あとここだけの話,私は天気痛の症状を持っていません.
どんなことをしたのか
心電図測定
心電図から得られる情報として,自律神経系の活動指標があります.それを健康状態を表す指標として扱い,気象要因との関係を調べました.詳細を述べることは避けますが,第Ⅱ誘導の心電図を実験で測定しました.第Ⅱ誘導はQRS波が大きく現れるという特徴を持つので,自律神経系の活動指標を計算するのに適切でした.ちなみに,自律神経系は,交感神経系と副交感神経系の2つで構成されています.
データ分析
気象要因のデータと自律神経系の活動指標の関係を調べるために,機械学習と統計を用いました.具体的には,関係を調べるために"ランダムフォレスト"を,その関係を評価するために"Steel•Dwass-test"を採用しました.名前だけ聞くと難しいように聞こえますが,使う"だけ"であれば簡単です.それらの中身は難しいなと思いました.簡単に言うと,どの気象要因が自律神経系の活動指標の動きに影響があるように見えるかをランダムフォレストで調べ,その結果が偶然ではないかどうかをSteel•Dwass-testで調べる流れです.Steel•Dwass-testは大学の統計学で扱う,仮説検定の仲間です.
結果
一番ここが気になるパートだと思います.私の研究結果によると,"気温"が最も自律神経系の動きに影響があると言えそうでした.その次には"気圧"が挙げられます.日本ではこの領域の研究を佐藤純氏(一例)などが行っていますが,海外ではあまり盛んではないようです(私調べ).
これからやりたいこと
天気痛だけではなく生理痛(とPMS)も日常生活の支障になります.これらへのなんらかの対処法を見つけたいです.難しそうです.論文をたくさん読まなければいけませんね.気になるトピックは結構書き溜めていますが,今の所は前述のことを研究テーマとして設定していくつもりです.もし気になることテーマ等があれば教えていただけると,嬉しいです.
それでは,良い1日を